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薄毛

育毛剤は「発毛剤」、「医薬品」の方が効果ある?

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「発毛剤」とか「育毛剤」、「養毛剤」、それに「医薬品」や「医薬部外品」など色々な分類がありますが、どう違くて、結局どれを選んだらいいのでしょうか?

私が20件以上の薄毛治療専門病院で医師に聞いてきたことをお話しします。

 

発毛剤の方が育毛剤より効果が高いってホント?

「発毛剤」は毛がない所にも生やす効果がありますが、「育毛剤」はそこまでの効果はなくて、既にある髪の毛を育てるだけ。「養毛剤」はもっと効果が弱くて、せいぜい抜けないようにするくらいの力しかないもの。まとめると、効果は、発毛剤>育毛剤>養毛剤、の順になります。

何となく「もっともらしく」聞こえるこの説明。よく見かけますが、これ、間違いだそうです。

僕が同じことを、20軒以上行った薄毛治療専門病院の医師に言ったらにこやかに否定されました。

 

毛穴のない所に生やすことはできない

まず、現代の医学では、「発毛剤」のいう所の「毛穴も何もない所に髪の毛を生やす」ことはできません。

それは指がない所に指を生やすようなもの。まだ実現できていないそうです。

ただ、一見ツルツルでも、毛穴が「休止期」に入っているだけという場合もあります。その場合は生やせます。

なるほど。毛穴の数は増やせないけれど、毛の数は増やせるってことですね。

ということで、現代の薄毛治療でできるのは、①「寝ている」毛穴を起こして髪の毛を生やすか、②生えている毛が抜けないようにする(結果として太く長く育てる)か、のいずれかです。

なんだそうです。

 

そういう意味では、「育毛」と「養毛」しかできないってこと?それとも、上の①が発毛作用、②が育毛作用ってことですか?

色々しつこく聞くと、苦笑いされながら諭(さと)されました。

 

 

発毛作用だけ、育毛作用だけ、の育毛剤はない?

そもそも、「発毛剤」「育毛剤」「養毛剤」と分けることに、あまり意味がないように思います。

なぜなら、世の中の育毛剤は、医薬品に限らず医薬部外品でも、「発毛」、「育毛」、「養毛(≒抜け毛予防)」の各効果をすべてあわせ持っている(と謳っている)からです。

ちょっと例を出しますと、

育毛剤名 分類 効能効果
リアップ 医薬品 壮年性脱毛症における発毛育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防
バイタルチャージ  医薬部外品 薄毛、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、育毛養毛、ふけ、かゆみ
アデノゲン 医薬部外品 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛

書きぶりに違いはありますが、医薬品だろうが、医薬部外品だろうが、効能効果に「発毛」、「育毛」「養毛」と書かれてますよね?

なので、どれも、発毛、育毛、養毛作用がある。

 

いやいや、「発毛」と「発毛促進」は違うから!

ああ、なるほど。上の表でも、「発毛剤」として有名なリアップは「発毛」と書いてますが、それ以外は「発毛促進」と書いてますね。

その言葉の違いに効果の違いを込めた、ということですか(いかにも役所がやりそう・・)。

でも、「言葉」にこだわることに意味がありますか?

 

医学界では「発毛剤」なんて言わない

そもそも発毛剤とか養毛剤とか誰が作った言葉でしょうか?少なくとも医学界のちゃんとした先生は使いません。

たしかに、例えば、日本皮膚科学会が定めた薄毛治療のガイドラインを見てみると、「育毛剤」、「発毛剤」、「養毛剤」といった言葉は一度も出てきません。

そもそも、それらの言葉は定義があいまいで医学的には意味がありません。なので患者さんに説明する時に便宜的に使う事はあっても、例えば医者同士で話す時には使いません。

 

僕たちは、ちょっと言葉に振り回されすぎってこと?

それに関連して、このことにもカンタンに触れておきます。

 

医薬品>医薬部外品>化粧品は正しい?

育毛剤の薬機法(旧薬事法)上の分類は、大きく分けて「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」の3つがありますが(下図参照)、みなさんの常識として、医薬品が最も効果が高く、次に医薬部外品、最後に化粧品分類の育毛剤、と考えてませんか?

これは、一般的には「正しい」です。

医薬品 vs 医薬部外品 vs 化粧品の違い

 

ただ、厳密に言うと、医療用医薬品>一般用医薬品>医薬部外品>化粧品の順で効果が高いというより、「リスク」が高いんです。

この表は厚生労働省の説明資料ですが、リスクの高低によって分類されていることが分かると思います。

厚労省_医薬品 vs 医薬部外品 vs 化粧品の違い

 

なので、この分類だけをもって「効果」が高い、低いを判断すると間違える事もあります。

特に育毛剤では、その差があいまいです。

 

例えば、「医薬品」は「医薬部外品」より効果が高いことが多いですが、中には、医薬部外品とそれほど効果が変わらないと医学界で考えられているものもあります。

例えば、カルプロニウム塩化物(代表的な商品:カロヤン)は一般用医薬品の「第3類医薬品」に分類されてますが、日本皮膚科学会の診療ガイドラインによれば、その効果は、「医薬部外品」のt-フラバノン(サクセス)と同程度(C判定)とされています。

 

「医薬部外品」と「化粧品分類」の差となると、もっとありません。

極端な話、そこら辺の育毛剤に、既に承認されてる医薬部外品成分(センブリエキスとか)を入れて、役所に申請すれば、ほぼ問題なく「医薬部外品」として承認されます。

単に、書類上の差です。

別に、追加の試験で「効果が高い」事を証明する必要はないんです。

もちろん、医薬部外品成分には何らかの根拠があるわけで、「入れる」と「入れない」とでは効果に差が出るハズですが、実際の体感レベルではそれほど差がないことは、経験的に皆さんがご存知の通りです。

 

なので、こうした法律上の分類は効果の目安にはなりますが、例えば、「医薬部外品だから化粧品分類の育毛剤より効果が高いはず」と盲目的に信じるのは「期待ハズレ」に終わる可能性があります。

 

育毛剤は効果の証明度合いで決める

「発毛剤」や「育毛剤」、「養毛剤」といった業界の慣例的な分類や、「医薬部外品」、「化粧品」といった法律上の分類だけでは効果の「あり・なし」を判断できない、とすると何を基準にしたら間違いないのでしょうか?

「レッテル」に惑わされずに、単純に「どこまで効果が医学的に証明されているか?」を基準にするだけです。

具体的には、臨床試験等の文献を重視!これは当たり前ですよね。

さらに、実際の医療の現場での治療実績も重視したら間違いないでしょう。

現場の医師は、患者の期待と、最悪の場合、医療過誤で訴えられるリスクを抱えていますので、文献で「効果あり」と書かれていたからといって、何の検証もなく日常の治療に組み入れることはありません。

逆に言うと、医師が治療に使っているという事は、それだけ何度も吟味を重ね、その上で効果も安全性も認めたという事。文献以上に説得力があります。

 

というと結局、「医薬品」分類の育毛剤を選んだ方がいいってことになるの?

必ずしもそうとは言えません。医師の中には「医薬品分類」の成分を使わずに、「化粧品分類」の成分を治療に使う医師もいました。

 

でも、文献や病院での使用実績を、一つ一つの育毛剤で調べてたら日が暮れちゃう・・。

と思いますので、このサイトがあるわけです。

良かったら参考にしてみてください。

 

医学界でも認められている育毛剤成分

今の所、医療の現場で使われるほど、医学的な裏付けがあると認められた数少ない育毛剤成分を紹介しておきます。

 

ミノキシジル

★★★ 星3つ

基準 判定
臨床試験の文献があるか?
病院の治療で使われているか?
海外で治療に使われているか?

皆さんご存知、リアップの主成分ですね。アンファーのスカルプDメディカルミノキ5も人気です。

まあ、間違いありません。

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プロキャピル

★★★ 星3つ

基準 判定
臨床試験の文献があるか?
病院の治療で使われているか?(国内)
海外の病院で治療に使われているか?

日本では最近注目され出したフランス生まれの新規成分。海外はもちろん、最近では日本でも病院治療に取り入れられている成分です。

ミノキシジルは副作用が怖いという人に支持されているようです。

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キャピキシル

★★★ 星3つ

基準 判定
臨床試験の文献があるか?
病院の治療で使われているか?
海外で治療に使われているか?

そこら辺の怪しげな育毛剤比較サイトでおすすめされているので誤解されがちですが、実は国内外でAGA治療にも使われている成分です。

もっと詳しく見る

 

 

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(参考資料)

 

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