今回のインチキ鑑定、ターゲットはボストン・スカルプエッセンス。
10年以上、効きもしない育毛剤にだまされ続けてきた豊富な?失敗経験に基づき、冷静に「ボストン・スカルプエッセンス」の鑑定してみたいと思います。
まずホームページをチェック!
ホームページを見ると、まず数々の受賞歴が燦然と輝きます・・・んん?
下の方に、小さく、「マーシュ調べ」、「ウィルゲート調べ」とか、なにか、中立な第三者機関がやったアンケートで一位に選ばれたみたいに書いてますけど、マーシュもウィルゲートも委託を受けて調査を行う調査会社。実施主体はボストンじゃん!まぎらわしいな。
そもそも、自社でやったアンケート結果なんて誰にどういう風に効いてるのかも分からないので信用できません。
次にこれ。
出た!モンドセレクション!育毛剤に限らず、よく分からん商品には必ずこれありますね。
金払えば銀賞以上が85%の確率で獲れるし、お手軽に信頼感を上げてくれて重宝するんでしょうね。
(出典:モンドセレクション公認エージェントFoods R&Dサイト)
まだまだ、「ボストンスカルプエッセンスはこんなにすごいんだぞ!」的な実績アピールが続きます。
「口コミサイトランキング1位」?
口コミサイトなんて広告収入で持ってるんだから、広告代払って一番のおすすめにしてもらったらそりゃあ、瞬間風速的に売上ランキングで1位になることもありえるでしょう。
「顧客満足度92.4%」も一見スゴそうだけど、下の方の注釈を見逃してはいけませんよ。
なるほど。購入者の方に聞いたアンケート結果だったんですね。
これなら、例えばですけど、1年以上買い続けてる"ヘビーユーザー"を対象に質問したら、満足度が9割を超えてもおかしくありません。
実際は、誰にどう聞いたか分かりませんが、やり方によっては数字がある程度操作できるのでアンケート調査って信用できないんですよね。
そして・・・出た!体験談!
どんな育毛剤でも必ずある、本当の効果の所は明言しない変な体験談。まあ、法律上、広告で効果を明言してはイケないんですけどね。
大体、私は体験談・口コミなんてこれっぽっちも信じてません。
そもそも、この人たちに起こったことが私たちにも起こるとは誰も言えませんから。
この人たちの裏には何千、何万人もの「効かねーじゃねえか、この野郎!」みたいな人がいるかもしれないじゃないですか!
この手の体験談によくこんな事がかかれていますが、まさにその通りです。
当サイトの育毛剤鑑定基準
成分です。
育毛剤に入ってる成分はウソをつきません。
どんなインチキ臭い売り方をしていても、成分が良ければ効きます。どんなに口コミで評判の良い育毛剤でも成分がクソなら効きません。
当たり前ですよね。
この記事では、ボストンスカルプエッセンスの成分がどれくらい効くのか、という事を3つの視点で鑑定しました。
①効果を医学的に検証しているか?
具体的には、効果を医学的に検証した臨床試験をやったかどうか、その文献があるかどうか?これが最低限のハードルです。
どんな商品でも効果測定のための試験、実際に治療で使った試験をしています。逆に、その試験さえしていないもの、または試験結果を公表していないもの(文献が見つからないもの)は、まあ、インチキでしょう。
②日本の医師に実際治療で使われているか?
実験(臨床試験)で効果が認められても、実際に治療に使われる育毛成分は「ほんのわずか」。それだけ医師の見る目は厳しいという事です。
逆に言うと、実際に治療に使われている成分は、その厳しい審査をくぐり抜けてきた証(あかし)。
かなりの効果が期待できるはずです。
③海外で使われているか?
その効果が評判になって、日本だけではなく、海を越えて海外にまで波及しているものがあります。
または、日本では知られていないけれど、海外では有名な成分もあります。
そうした成分もしっかり拾って「インチキ鑑定」していきます!
それでは行ってみましょう!
鑑定結果
★★★ 星3つ
ここまででさんざん文句を言っておいて、こんなこと言うのも説得力がないんですが、調べてみると「非常にちゃんとした育毛剤」でした・・。
判定基準 | 判定 |
臨床試験の医学文献があるか? | 〇 |
実際に治療で使われているか?(日本) | 〇 |
実際に治療で使われているか?(海外) | 〇 |
臨床試験の医学文献
ボストンスカルプエッセンスをそのまま使った臨床試験結果は見つかりませんでしたが、含まれている成分では臨床試験のされているものがいくつか見つかりました。
まず、キャピキシルでは、製造元のルーカスマイヤーが発表している臨床試験の文献がありました。
A new strategy to modulate alopecia using a combination of two specific and unique ingredients.
ピディオキシジルもイタリアの病院での臨床試験結果が公表されています。
オレアノール酸も、日本人の文献がありました。
ということで、ロクに効きもしない成分だけで作ったインチキ育毛剤ではありませんでした。
治療での使用(日本)
20ヵ所以上のAGAクリニックを訪問し、聞き取り調査を行ったところ、1か所、表参道スキンクリニックという病院で、キャピキシルがメソセラピーの有効成分の一つとして使われていました。
*メソセラピーとは髪の薄くなった頭皮に有効成分を直接注射等で注入する治療法です。
海外での使用
ボストンスカルプエッセンスそのものを使っている病院は見つかりませんでしたが、含有成分の一つ、キャピキシルを使っている病院は見つかりました。
イギリスのThe Brighton Hair Loss Clinicです。
ということで、ボストンスカルプエッセンスが、臨床試験もされていて、かつ日本やイギリスの医師に治療で使われている成分が入ってることは分かりました。
でも、どれくらい薄毛に効くのでしょうか?
ボストンスカルプエッセンス"有効"成分は?
そもそもどんな成分が入っているかと言うと山ほどあるんですが、肝となるのはこの5成分のようですね。
中でも臨床試験の文献が見つかった、キャピキシル、ピディオキシジル、オレアノール酸を見てみましょう。
キャピキシルの効果
キャピキシルの作用は?
この成分を開発したカナダの製薬会社ルーカスマイヤーの資料を見てみます。
キャピキシルというのはいくつかの成分が組み合わされた複合成分の名前です。その中で主要なものが2つあります。
ビオカニンAと、アセチル・テトラペプチド3です。
詳しくはこちらの記事 - キャピキシルは効くのか?に譲りますが、
ビオカニンAはAGA治療の特効薬フィナステリドという薬と同じような作用があり、薄毛の根本的な原因物質であるDHTを作らせない働きがあると言われています。
アセチル・テトラペプチド3は、細胞の再生を促す作用があると考えられていて、毛包に直接働きかけて成長を促し、毛髪を元気にすると言われています。
キャピキシルの人での試験結果
30人の平均年齢46歳の男性に5%のキャピキシルを含んだ育毛剤を塗布させた所、4か月目で成長期の髪の毛の数が13%増え、休止期の髪の数が29%減りました。
ピディオキシジルの効果
ピディオキシジルの作用は?
成分の製造元のインドの会社が発表している資料では、次のように説明されていました。
重要なのは2つですね。
1つ目は「カリウム・チャネル・オープナー」として作用。
何だかよく分からないですけど、とにかく髪の毛を休止期から成長期に移行させたり、成長期の期間を延長したりする作用があるとか。結果として髪の毛が抜けない、太く長く育つ、という理屈ですね。
2つ目は、血管拡張作用。
これは、頭皮の血管を広げるので血流が増えて、毛根の栄養状態も改善される、みたいな理屈です。
ピディオキシジルの効果データ紹介
イタリア語のサイトで4つの試験の結果を見つけました。
臨床試験1
ジェノバのGaslini研究所(E. Rampini、C. Ocella、D. Bleidl、1989)で行われた試験で、30人のAGA男性が対象です。
6か月間にわたって0.8%の濃度のピディオキシジルを塗布した所、21人は変化が見られませんでしたが、9人は薄毛が改善しました。
臨床試験2
1990年にフィレンツェ大学皮膚科学研究所の行った試験で、ビタミンAを添加した0.8%濃度のピディオキシジルを3ヶ月間、男性14名および女性16名に使ってもらいました。
結果は、女性は全員薄毛が改善しました。
男性は、5人は改善が見られませんでしたが、8人は改善、1人は劇的に改善しました。
臨床試験3
ローマ聖母カトリック大学の皮膚病院研究所では、1.5%濃度のピディオキシジルを4か月間、男性28人、女性14人に使った使用試験が行われました。
その結果は、男性では改善が見られませんでしたが、女性は14人全員に改善が見られました。
臨床試験4
2010年にローマの病院で行われた試験では、1.5%濃度のピディオキシジルを6か月間、40人に使わせたところ、23人は変化がなかったが、9人は改善、8人は明らかな改善を示しました。
まとめます。
濃度 | 使用期間 | 改善率 | |
試験1 | 0.8% | 6か月 | 30%(9人/30人) |
試験2 | 0.8% | 3か月 | 83%(25/30) |
試験3 | 1.5% | 4か月 | 33%(14/42) |
試験4 | 1.5% | 6か月 | 43%(17/40) |
まとめ | 46%(65/142) |
一概に、何割の人に効果が出たとは言えませんが、合計すると5割近くの人(46%)に効果が現れました。
オレアノール酸の効果
AGA患者14人に対して行った臨床試験の結果があります。
それによると、オレアノール酸配合育毛剤 (センブリ抽出液OA22.5%を含有する70%エタノール溶液)を50歳以下の男性型脱毛症14例に4カ月間投与しています。
投与方法は、患者の頭皮の左右半分に育毛剤を塗布、半分には偽薬(プラセボってやつです)を塗布する、という方法です。
結果、4か月後に比べてみると、硬毛数が塗布した側では増えていたのに、プラセボ側では増えませんでした。
臨床判定では3例が有効とされました。まあ、医師から見ても効いたと言える症例が14例中3例だったという事でしょう。
ボストンスカルプエッセンス、さんざん冒頭でディスってしまいましたが、中身だけで判断すると、効果の確認された成分が3つも入っている「かなり効きそう」な育毛剤でした。
"外見"で判断してはダメですな(僕だけか)。スミマセン・・。
ボストンスカルプエッセンスの商品概要
成分
キャピキシルが5%入ってます(上記臨床試験と同じ濃度)。
ピディオキシジルは上記テストでの最高濃度=1.5%入ってます。
オレアノール酸の含有量は分かりませんでした。
また、ノーベル賞受賞成分のフラーレンとかいう成分と、AGA治療でも使われる成長因子も入ってます。
なお、フラーレンと育毛の関係を示す臨床試験の文献は見つかりませんでした。
価格
価格は、1本(60ml)=1か月分で9,800円(税込10,584円)です。
ただ、キャンペーン中だと、定期購入コースの1回目が980円になります。2回目以降は8,800円(税込9,504円)ですが、それでも十分お徳です。
おっしゃる通り。最低3回買わないといけません。
肌に合うかも分かりませんので、最初はあきらめて定価9,800円で買った方がいいだろうなあ・・・と思ったら、「45日間全額返金保証」がありました。
ということで、「定期購入コース」で最初の1本980円で買い、合わないようなら2本目が発送される前に連絡して取り消す、問題ないならそのまま継続(1本8,800円)、という買い方が最もお徳ですな。