キャピキシルと並んで薄毛治療に効果があるっていうので流行っている成分がリデンシル。
いくつかの育毛剤で使われているようですが、本当に効くのでしょうか?
それとも、ただのインチキ成分?
そこで、純粋に医学的なエビデンスがあるか否かで、リデンシルの有効性を「鑑定」してみました。
具体的には、効果の医学的な証明度合いを
- ①臨床試験(人での実験)の医学文献があるか?
- ②実際に治療で使われているか?(日本、海外)
という視点で見てみました。
鑑定結果
★★☆星2つ
海外では病院での薄毛治療にも使われている、意外とまともな成分でした。
判定基準 | 判定 |
臨床試験の文献があるか? | 〇 |
日本で治療に使われているか? | × |
海外で治療に使われているか? | 〇 |
医学文献
アメリカの国立医学図書館PubMedやMedicineといった世界中の医学文献を集めたデータベースからGoogleに至るまで「Redensyl」で検索をかけた所、Induchemという名前のスイスの化学薬品メーカーの公表している臨床試験結果を見つけました。
試験結果は後で紹介しますが、少なくとも試験結果を公表できない=全く効果のない成分ではなさそうです。
なお、Induchemは2015年に、世界最大の香料、化粧品基材の企業、Givaudan(ジボダン)社に買収されています。
病院での使用
15ヵ所以上のAGAクリニックに行きましたが、リデンシルを治療に使っている病院はありませんでした。
また、ネット上でも見つけられていません。
海外での使用
海外で、リデンシルを日常の診療で使っているクリニックが見つかりました。
アメリカのビバリーヒルズにある、Robert James Clinicと言う病院です。
こちらは薬に頼らない薄毛治療の方針で、プロペシアやミノキシジルに代えて、低出力レーザー治療や、リデンシルの育毛剤をクリニックオリジナル商品として処方しています。
こちらが利用者の体験談です。
ちょっと出来すぎでウソくさいですけど、この女性(最初に出てくる女性)は
- 3週間で抜け毛が止まり
- 6週間後に産毛がそこら中から生えてきて
- 3か月後にはフサフサになった
ということです。
ただ、それがリデンシルだけの効果かどうかは分かりませんでした。
という事で、リデンシル単体の効果を知るには文献を見るしかなさそうです。
海外文献を紹介します。
リデンシルとは?
髪の毛を根元から活性化する成分で、毛乳頭細胞の幹細胞と線維芽細胞に働きかけて、抜け毛の症状を反転させて、発毛、育毛を促すそうです。発毛効果は毎日使うと3か月で目に見えて出てくるそうです。
こちらの海外文献では詳しくその効果について書かれています。
ミノキシジルの2倍の効果?(実験室でのテスト)
リデンシル1%ローションがどれくらい毛包を成長させるか、ミノキシジルと比較して効果を検証しています。
AGA症状の出ている男性4人から毛包を採取し、リデンシルを入れた培養液、ミノキシジルを入れた培養液、または、何の成分も入れていない培養液に浸し、7日後と10日後にどれだけ髪が伸びているか計りました。
その結果、リデンシルは、何の成分も入れていない培養液に浸されたものと比べて、+214%(つまり3倍以上)も毛髪を成長させたそうです。
ミノキシジルが+118%でしたので、ミノキシジルの約2倍の効果でした。
この結果をもってミノキシジルの2倍の育毛効果があるとしています。
・・ちょっと、この結論は強引ですかねえ。
だって、この1%培養液につけた状態と、通常育毛剤として頭皮に塗布する状態では違いますから。
結局、人で試さないと分かりません!
と思ってたら、意外にも、ちゃんと試験してました。
2.臨床試験(人に使わせた試験)
今度は培養液に浸した状態ではなく、実際に人に使ってもらって、育毛効果、発毛効果を検証しています。
この試験では、リデンシルの3%ローションを3か月使った場合の発毛効果を偽薬と比較しています。
このテストでは公平を期すために、患者にも医師にも、どれが本物のリデンシルか偽薬かを知らせずに行っています。
対象者
18才~70才の男性患者26人で、AGAの段階は3から4の人です。
- 髪の毛の色は茶色か黒。
- 最低限の毛の密度として、1cm2当たり150本の毛があり、1cm2当たり休止期の毛が40本以上ある人としています。
- 14人にリデンシルを含むローションを、12人には何も入っていないローションを、患者には何も知らせずに使わせました。
- 患者は3か月間にわたって毎日リデンシルか偽薬(有効成分が何も入っていないアルコール水)を頭全体に塗布しました。
効果計測方法
トリコスキャンと言う機器を使っています。
これはキャピキシルのテストでも使われていたもので、顕微鏡のような拡大鏡が先についてるカメラで、スキャンしたエリアの毛髪数や休止期、成長期の髪の数を計測することができるものです。
これを使って、患者の頭の1か所1.5cm2の範囲を剃りあげて、そこの髪の伸びる速度とか、成長期、休止期の髪の毛の比率の変化を見ました。
臨床試験結果
成長期/休止期の髪の割合
偽薬を使った人たちは1か月しても何の効果も見られませんでしたが、リデンシルを使った人たちは、3か月後には成長期の髪の毛の割合が9%増え、休止期の髪の毛は17%減少しました。
また、成長期の髪の密度/休止期の髪の密度の割合を算出した所、リデンシルを使った人はこの割合が増えていました。
つまり、成長期の髪の密度が上がった、もしくは、休止期に髪の密度が下がったと言いたいみたいです。
さらに、髪の密度はリデンシルを使った人で8%増えました。
見た目の変化
85%の人たちは、3か月後には、成長期の髪が増え、密度が上がり、髪の毛が太くなった結果、見た目が改善しました。
この写真は暗くて分かりにくいですけど、上がビフォー、下がアフター。下の写真の方が毛が増えて、透けて見えている肌の面積が小さくなってますね。
3か月でこれならすごいかも。
患者自身の実感
3%のリデンシルを使った人は3か月間の使用後、抜け毛が減った、髪のコシやハリが戻った、髪の毛が太くなった、密度が増えた、と言った何らかの効果を実感していました。
その上で、71%の患者はこの結果に満足しています。
また、平均で、3か月で10,200本の髪が増え、これは自毛植毛をして3か月後の結果よりも高い発毛効果でした。
ちなみに、1万本増えるという事は自毛植毛で言うと、1株=2本とすると、5千株植毛するのと同じです(株≒毛穴。通常1つの毛穴から平均2本毛が生えている)。
5千株の植毛となると、相当薄くてもフサフサになりますから、ちょっと信じがたいほどスゴイ増毛効果です。
ちなみに、この人で1,267株の植毛です。
まとめ
- スイスの化学薬品メーカーの公表している臨床試験の文献があり、3か月で結果を出してました。
- 日本で治療に使っている病院は見つけられませんでした。
- ただ、海外ではアメリカの病院で治療薬として使われていました。
という事で、臨床試験で効果が認められているだけではなく、海外では医師が治療に使うほど効果が実証されている成分でした。
この成分を使った商品
参考までに、リデンシルを使った商品を載せておきます。
なお、各育毛剤のホームページを見ると男性向けに作られていますが、先ほども紹介した通り女性にも効果があります。
アングレ
リデンシル+キャピキシル、さらにバイキャピル、プロキャピル、アナゲインという日本初の成分まで配合した2020年発売の育毛剤です。
この育毛剤の特長は、薬用発毛促進剤とリデンシル等欧米の最新成分を配合したスカルプエッセンスの2本セットで徹底ケアするところ。
ここまでやって結果が出なければ、専門病院の治療費を1万円まで出してくれるとか。
1万円と言われてもどれくらい使い勝手があるのかよく分かりませんが、何でも、指定の病院の治療費が3~5千円程度という事なので、およそ2~3か月分のAGAクリニックの治療費がタダになる勘定です。
お値段はAmazonや楽天で5,990円です。
-
【インチキ鑑定】アングレは本当に効くのか?
「AGAクリニックの薄毛治療費を出してくれる」というので話題のアングレ ワールドセレクション。 医学的根拠に基づいた成分を高濃度で配合をうたっていますが、本当に根拠なんてあるのでしょうか? って言うか ...
リデン
名前もそのままリデンシルを含有する育毛剤。その他、3種の医薬部外品成分も入ってます。ここら辺は上のアングレと同じ。
ただ、追加の海外成分はありません。
価格は、リデンは1か月持つボトル1本で、定価は送料込みで14,806円ですが、定期購入にすると、9,680円になります。
「永久全額保証」というのが売りのようですが現実は色々と制約があるようで(後述)・・・。
-
【インチキ鑑定】リデン(REDEN)は本当に効くのか?
リデン(REDEN)という育毛剤、宮迫の広告を時々見ますが、本当に効果あるのでしょうか? それともインチキ育毛剤? 10年以上「効果なし育毛剤」をつかまされてきた失敗経験をもとに、じっくり、ガッツリ「 ...
まとめです。
商品名 | アングレ | リデン |
その他成分 | 医薬部外品成分+バイキャピル4% / プロキャピル3% | 医薬部外品成分 |
税込価格(1か月分) | 5,990円 | 9,680~14,806円 |
保証制度 | 30日間全額返金保証+ 病院治療補償 |
永久全額返金保証* |
*ただし最初の1本のみ対象。
どちらがいいかと言われると、まずは値段は、圧倒的にアングレ。
もう一つ、プラスαの成分を見ても、これまたアングレの方が豊富。
また、「保証制度」で見ると、「永久全額返金保証」のリデンに軍配が上がるかのように見えますが、「永久」返金対象となるのは「最初の1本のみ」です。効果を見てから返品するのはムリそうですね。
さらに、リデンは返金してもらう時、事務手数料1千円、2本目も準備してたらキャンセル料10%払わないといけないという意味では、結局、「全額」は返ってきません。
一方、アングレは全額返金保証に、プラス「病院治療費補償」がもれなくついてきます。
どちらを採るかと言われれば、・・・普通に考えれば、アングレに決まりでしょうか。
【ご参考:リデンシルより上の"3つ星"鑑定成分】
- 王道のミノキシジル
- 最新のプロキャピル
(参考資料)
- 日本皮膚科学会のガイドライン
- アメリカの国立医学図書館PubMed
- Medicine
- 医薬中央雑誌Web
- Cochrane Library