効果ある育毛剤が欲しい!でも、「この育毛剤が良く効く!」なんて話で信用できそうなものにお目にかかったことがない・・。そもそも、育毛剤に効果あるの?
多くの人が抱く疑問です。僕も10年以上そう思っていました(そう思いながらも使い続けていたというこの矛盾・・)。
とは言え、ネットの素人(しろうと)情報を追ってもしょうがないので、薄毛に関して一番の「専門家」である薄毛治療の専門医に聞きに、AGAクリニックを20ヵ所以上回ってきました。
効果のある育毛剤はある!
育毛剤って本当に効果あるんですか?
メーカー発表の臨床試験の結果を見ても、ミノキシジルの有効率は90%を超えています。
有効率の高い育毛剤成分にはミノキシジル以外にも、プロキャピルなどがあります(詳細後述)。
もちろん、中には有効率がはっきりしない成分でできた育毛剤もあるので注意は必要ですが、少なくとも効果が臨床試験で確認されている成分の育毛剤を選べば間違いありません。
なんて言うと中には、気づいている人もいるんじゃないでしょうか。
育毛剤は「改善度」が問題
「効果がある」には大きくは2つの意味がありますよね。つまり、
- どのくらいの割合で効くのか=10人使ったら何割の人に効果があるのか?という割合=有効率(改善率)
- 効果があった人はどれくらい増えたのかという度合い=改善度
で、問題は2番目の効果の度合い、つまり「改善度」という訳です。
結論から言うと、この点で育毛剤は物足りません。
例えば、ミノキシジルを例に、患者の主観での「改善度」を見てみると、
上のグラフでは「悪くなった」~「非常に良くなった」の5段階で改善度を患者に診断させてますが、
- 「非常に良くなった」=約1割
- 「良くなった」=約4割
- 「少し良くなった」=約4割
これが9割の効果の内訳です。
で思うのが、たぶん「少し良くなった」くらいでは嬉しくないですよね。
「良くなった」くらいでも「もっと期待してたけど」と不満が残る人はいるでしょう。
とすると、患者目線で満足できる「改善度」は、「非常に良くなった」に限ると1割程度、「良くなった」の半分(=2割)を入れても3割程度にまで下がってしまいます。
だから、育毛剤を使っても「大して効いた気がしない」んです。
では、なぜ改善度が低いのでしょうか?
育毛剤は抜け毛を抑える効果が弱い
僕が訪れた、ある有名な薄毛治療専門病院の医師が「うまい事」おっしゃっていました。
医師も、育毛剤に発毛効果がある事は認めています。でも、「抜ける」のを押さえられないので増えないと言う訳です。
市販品には効果の強い成分を入れられない
今や薄毛は病院で治療できる時代です。その治療で中心になる薬が、先ほどから出ているプロペシア(成分名フィナステリド)というもの。
「特効薬」、「この薬のおかげで薄毛を克服できるようになった!」、どちらでも過言ではないとか(ホントかよ!)。
でも、この薬の成分は市販の育毛剤に使えません。なぜなら、効果が強い分、扱うのに専門的な知識が要り、医師の処方箋が必要だからです。
育毛剤は「市販品」であるがゆえに効果の高い成分を使えないんです(ちなみに、薄毛治療専門病院(=AGAクリニック)に行くと、プロペシア入りの育毛剤もあります)。
さらに、「育毛剤ならでは」の限界が追い打ちをかけます。
外用薬は体内に吸収されにくい
育毛剤は塗り薬です。そのため頭皮から吸収させないといけません。
でも、頭皮には外界から異物が入り込まないよう、バリア機能があり、ちょっとやそっとじゃ入らないように防御構造があります。
そうでないと、雨が降るたびに頭皮が水ぶくれになってしまいますよね。
そのため、飲み薬と比べてどうしても外用薬=塗り薬は身体に吸収される量が少ない分、効果が弱くなります。
もちろん、プロピレングリコールを始め様々な皮膚浸透を助ける成分が開発されたおかげで、この問題もだいぶ解決されていますが、まだ飲み薬にはかなわないのが実情です。
育毛剤の効果まとめ
- 育毛剤でも有効率の高いものはあるが、改善度が低い。
- それは「発毛効果」が劣っているというより、「抜け毛を抑える効果」が弱いから。
- 改善度の低さは「市販」の「塗り薬」としての育毛剤の限界。
育毛剤で効果ある人・ない人とは?
上の話から導き出されるのは、もちろん、「病院でプロペシアと発毛効果のある育毛剤、両方処方してもらうのが一番効果が高い」。
これは世界中で行われている薄毛治療の基本的なレシピです。
例えば、毛髪再生医療の世界的権威であるアメリカ、コロンビア大学教授のバーンスタイン先生も、そう勧めています。
とは言うものの、
という人も多いでしょう。
おっしゃる通りです。
そこで現実的な育毛剤ケアの方針をお話しします。
育毛剤ケアの基本方針
先ほどの医師のたとえ話にかけると、「穴」が大きければどれだけ水を入れても水は貯まりませんが、穴が小さければ貯まりますよね。
つまり、穴の大きさ=薄毛の深刻度の高低によって取るべき対策が分かれるワケです。
(1)薄毛が深刻なら育毛剤では効果なし!
- 「今まで、このサイトで3つ星鑑定を獲得してる育毛剤も試したけど効果がなかった」
- 「父親も兄弟も禿げててオレも薄くなり始めてる」
という場合は、病院で本格的な薄毛治療を受けた方がいいでしょう。
このまま育毛剤でケアしても、残念ながら、お金と時間のムダになる可能性が高いです。
(2)軽度の薄毛なら育毛剤でまずケア!
薄毛の症状がそれほど深刻でない、つまり、
- まだ病院に行くほどじゃない。
- 家族を見てもウチはツルっぱげになる家系じゃなさそう。
ということなら、まずは育毛剤を使ってケアしてみるのも手です。
とは言え、何でもいいわけではなくて、どうせ選ぶなら、医療で使われているほど効果の証明された成分の入った育毛剤の方が安心です。
最たる例はミノキシジルという成分。この成分は世界中の病院で治療に使われているので、まちがいなく効果が証明されています。
ミノキシジル以外にも、市販の育毛剤に入っている成分で、医療で使われているものもあります。
後で紹介します。
育毛剤の効果への不信感の元凶
「そもそも育毛剤って効果あるの?」。
こうした疑問が根強いのは、上にあげた理由だけでなく、効果のない(=改善度のみならず、有効率も低い)インチキ育毛剤が氾濫(はんらん)していることが一番の原因かもしれません。
効果のない育毛剤は、本来なら売れるはずがないんですが、彼らもいろんな手練手管(てれんてくだ)を使って僕たちに「この育毛剤良さそう!」と誤認させることに、残念ながら、成功しています。
その典型的なやり口は、商業的な比較サイトとの提携です。
提携した比較サイトは、一見、中立な立場で育毛剤を評価する第三者のような口ぶりですが、実際は、提携する業者の育毛剤を買わせるために、ニセの口コミやランキング、ウソの自己体験談を駆使して巧みに僕らを誘導します。
結果、インチキ育毛剤が売れて業者は万々歳!比較サイトも広告収入ガッポリで万々歳!
ひるがえって僕たちはというと、最悪、生えればいいですが、多くの場合、効果が出るわけもなく、結局、僕たちだけが食い物にされる・・・という構図が出来上がってます。
何じゃこりゃあっ!
「第三者風」の口コミや体験談や「客観的っぽい」アンケートに基づく人気ランキングをよく見かけますが、「これ、ウソかも」と疑ってみる慎重さが必要です。
「売上No.1!」とか「モンドセレクション受賞!」などと書かれてると何となく良さげに思えてきますが、効果とは直接関係ありませんので、一切無視しちゃいましょう!
では、何を信じるか?
当たり前ですが「成分」です。
「効果を科学的に証明した=臨床試験で効果を証明した成分が入っているかどうか?」、もっと言うと、「専門家である医師が認めた成分が入ってるかどうか?」。
この一点で判断してみてはいかがでしょうか?
だいぶマシな育毛剤が手にできるはずです。
効果ある育毛剤おすすめ
先ほども言った医療でも使われているほど効果の証明された育毛・発毛成分をこちらに挙げておきます。
この成分が入っているなら、基本、どの育毛剤を選んでも、それなりの効果は期待できます。
ミノキシジル
★★★ 星3つ
基準 | 判定 |
臨床試験の文献があるか? | ◎ |
病院の治療で使われているか?(国内) | ◎ |
海外の病院で治療に使われているか? | ◎ |
最も効果が証明されている成分です。
大正製薬のリアップや、最近ではスカルプDメディカルミノキ5、リグロEX5にも使われてるので知ってる人も多いのではないでしょうか。
プロキャピル
★★★ 星3つ
基準 | 判定 |
臨床試験の文献があるか? | ◎ |
病院の治療で使われているか?(国内) | ◎ |
海外の病院で治療に使われているか? | ◎ |
2019年頃から話題になってきた最新の育毛成分。効果を証明した文献が比較的豊富にあり、海外でも日本でも専門病院での治療に使われる成分です。
特に「ミノキシジル嫌い」の人や、「キャピキシルは効かない」と敬遠する人に支持されています。
キャピキシル
★★★ 星3つ
基準 | 判定 |
臨床試験の文献があるか? | ◎ |
病院の治療で使われているか? | ◎ |
海外で治療に使われているか? | ◎ |
日本でも既に認知が広がり、色々言われていますが、一応、国内外でAGA治療にも使われている成分です。
(参考資料)
- 日本皮膚科学会のガイドライン
- アメリカの国立医学図書館PubMed
- Medicine
- 医薬中央雑誌Web
- Cochrane Library